振替作業に関する問題

次にご紹介するのが振替作業に関する問題です。こちらについては、建設業の経理実務を行った方が経験することが多い問題です。

まずは費用の面からみていきましょう。通常まだ工事が完成していない状態で発生する費用に計上に関しては、2つのパターンで未成工事支出金の計上と振替を行っていると思います。

パターン①

一つ目のパターンは、①未完成時の費用を費用科目で計上し、期末段階でまだ未完成の場合は、その工事に関わる費用を未成工事支出金に振り返えます。その後完成した場合はその未成工事支出金の金額を完成工事原価に振り返るパターンです。

パターン②

二つ目のケースは、②未完成時の費用を未成工事支出金で一旦すべて計上して、完成した場合に、未成工事支出金を各費用科目に振替処理をするパターンです。

おそらく実務上では前者のパターン①を取られている場合が多いと思います。なぜなら、後者のパターン②に比べて非常に簡便であるからです。

パターン②のメリットとデメリット

パターン②の場合一旦未成工事支出金で計上しますので、わざわざ完成したときに費用科目別に振替処理を行わなければなりません。未成工事支出金の相手勘定科目をすべて振り返って振替伝票を作成する必要があるのです。これは大きな手間となります。しかしながら、②についてはメリットも存在します。それは月次試算表の損益が比較的正確に把握できます。なぜなら①の場合未完成時にも費用として計上されてしまいますので期中で大赤字となってしまうことが多いと思いますが、②の場合は未成工事支出金として資産計上されているため、費用計上されません。よって期中の試算表が比較的正確に把握できます。さらに、完成工事原価の詳細がきちんと費用科目ごとに把握できますので、原価管理をより詳細に記載できます。

パターン②のデメリットをクラウド工事管理とクラウド会計freeeで解決!

パターン②のケースを採用して人の手で行おうとすると、とても大変な作業となりますが、クラウド工事台帳とクラウド会計freeeによって、一発解決することが可能です。通常実行予算書には、費用の詳細が記載されています。その費用ごとに会計の費用科目を紐づけさせておくことで、完成時に振替伝票を自動で作成することが可能です。またその自動で作成された振替伝票をクラウド会計freeeに連携すれば一発で未成工事支出金の振替を行うことができます。

こういったクラウド連携の恩恵を利用することで高度な会計処理を行うことが可能となります。