工事台帳システムとクラウド会計freeeへの二重入力

工事台帳は工事請負事業者にとって欠かすことのできない管理簿になります。工事現場で管理している実行予算書(工事台帳)への入力と、経理が入力しているクラウド会計freeeへの入力を行うのです。どうして工事台帳とクラウド会計freeeのどちらも同じような内容なのに何度も入力しないといけないのか?こんなことを思われた方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。また工事台帳システムとクラウド会計freeeの互いのシステムが連動していないために、数字が合わない場合は互いのシステムの内容をチェックしなければならず多くのチェック作業が発生してしまいます。工事台帳システムとクラウド会計freee互いのシステムが連動していれば楽になるのに、と思いながらもどうしたらシステムが連動するのか、解決の糸口が見つけられず、長い間頭を悩ませられている問題です。

なぜ二重入力が起きてしまうのでしょうか。

問題が起きる原因を探るには、実行予算に関する業務の流れを確認する必要があります。

<実行予算の流れ>

    ①実行予算を組む
    ②発注をする
    ③発注した工事に対して査定をする
    ④支払をする

※見積書作成のため受注前に実行予算を組むケースも多いと思いますが、今回は受注したあと、着工前に実行予算を組む想定で話を進めます。

おおまかな流れとしては上記の流れで行われているのではないでしょうか。③の査定をしていない会社ですと、請求書が来た内容を工事担当者に確認してOKであれば、④の支払業務を行うといった簡便的なやり方を行っているケースもあると思います。実務であれば簡便的なやり方の方が多いのが実情でしょうか。

この流れを見ただけでも多くの人やシステムが介在することになります。ここでわかり訳すするために各業務に対して誰がどのシステムを入力しているかという観点から記述していきます。(一般的な場合のみです)まず①の実行予算を組むですが、工事担当者が原価管理システムに入力します。次に②の発注をするですが、発注内容を工事担当者が原価管理システムに入力します。発注書が発行できるものが多いですが、そうでない場合は別のシステムで発行しなければなりません。③発注した工事に対して査定をするですが、2つの業務が存在します。工事担当者が原価管理システムに実績を入力する業務、経理がクラウド会計freeeに費用を入力する業務です。④支払いをするですが、経理が査定を行った内容と請求書等を突合してクラウド会計freeeで支払業務を行います。ただし支払業務が複雑な場合はクラウド会計freeeとは別のシステムで管理して支払業務を行っている場合もあると思います。

このように大まかな流れを見ただけでも、業務の流れが複雑で、手間の掛かる事であることが分かりましたでしょうか。こういった業務を一つ一つ整理しなくては業務効率の糸口を見つけることはできません。まずはここが「はじめの一歩」となります。この業務の整理ができた後の、次の一歩については次節以降を読み進めていただければと思います。