1.「中小企業共通EDI」の導入目的はIT化による業務効率化だけではありません。

中小企業共通EDIは、「中小企業が抱える受発注業務のIT化に係る問題を解決するとともに、①業務効率アップでコスト削減②人的ミスを軽減③過去現在の取引データの検索の簡素化を実現できます。」(中小企業庁HPより)とされてます。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/gijut/edi.htm

これに加えて、「中小企業の資金繰り改善」
(=大企業から中小企業への速やかな支払い)
が期待できるのです。

中小企業の資金繰り

サプライチェーンにおいて、大企業から中小企業に発注を行い、中小企業は納品の翌月末に支払を受けるケースが殆どです。納品後の代金回収までの間、原材料費や労務費の資金繰りは中小企業にとって厳しいものになってます。
納品後速やかに支払がされれば、中小企業の資金繰り改善が期待できるのです。

また、大企業にとっては、中小企業共通EDIの導入により、支払業務の効率化が図れるということになりますし、「早く支払ってくれる会社」のイメージアップになります。

「中小企業共通EDIとは」については、つなぐITコンソーシアムのサイトをご覧ください。(当社は、つなぐITコンソーシアムの正会員です。)
https://tsunagu-it.com/cons/about_edi/

投稿者:systemkanri 投稿日時:

2.「中小企業共通EDI」の導入で請求書(書面)は不要にできる?

中小企業共通EDIでは、下記の図の通り、請求メッセージもサポートされてます。

出典:中小企業共通EDIの取引プロセスとメッセージ体系
「中小企業共通EDIガイドブック ver.3」(ITコーディネータ協会)

支払を速やかに行うために、検収を行ったのち、検収の情報をもとに支払を行うことができると考えられます。そうなると、支払を受ける側は書面での請求書の発行または共通EDIの請求メッセージ送信が不要になるのでは?と考えられます。


請求書は無くても良いのか?

そもそも、請求書なくても支払ことについて、問題ないのかという疑問があります。

結論から言うと、取引内容を証明できれば、支払をおこなっても問題ないのです。

そもそも「請求書」を発行する意味、また、「請求書」」を受け取る意味は何か。

請求書を発行する側は、
「この取引内容について、この金額を請求します。」
という通知連絡であり、

請求書を受け取る側は、
「取引内容と金額」について、自分が把握している事実と一致していること
を確認するために使っているのです。
※補足:取引内容については、納品書や作業完了報告書の提示を利用する場合あります。

共通EDIで、発注、受注、納品、検収のやり取りが記録されていれば、
月締め処理において上記の確認は不要になると言えます。

また、税務調査があった場合に、支払の証明として証憑の提示が求めらます。
共通EDIで発注、受注、納品、検収の取引を行っていれば、
「取引内容の証明」は、共通EDIで担保できますので、
請求書がなく支払しても問題ないということになります。

支払を受ける側としても、取引内容が共通EDIに記録されてますので同様です。


月の取引量で割り引く場合

一方で、1ヶ月の取引金額に応じて割引するケースがある場合は、月締め処理にて月の取引金額を合計して、割引金額を算出し、これを差し引いた請求金額で取引先に請求書として発行することになります。このようなケースの場合は、請求書が必要になってきます。

なお、請求書(書面)の廃止については、一度、顧問税理士に確認することをお勧め致します。

投稿者:systemkanri 投稿日時:

3.「中小企業共通EDI」とインボイス制度(適格請求書等保存方式)との関係

2023年10月1日よりインボイス制度(適格請求書等保存方式)が導入されます。
※2023年9月30日までは、「区分記載請求書等保存方式」になります。

請求書の電子化

適格請求書とは

適格請求書とは、「売手が、買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」とされている。
これは、買手側が仕入税額控除を行うための要件になりますので、大手企業から受注している中小企業(売手)においては、適格請求書の発行が必須になってくると考えて良いのです。なお、適格請求書を発行(交付)するには、「適格請求書発行事業者」として登録を受ける必要があります。

これを踏まえると、請求書を発行する必要があるということになるのですが、

  1. 電磁的記録でもOK
  2. 仕入明細もOK(相手方の確認を受けたもの)

とされてます。


電磁的記録

「電磁的記録」は、中小企業共通EDIを提供するプロバイダー側が担います。プロバイダー側でEDIデータが改ざんされることなく保存され、かつ検索が可能であれば「電磁的記録」に該当すると言えます。

中小企業共通EDIでは、メッセージ仕様ver.2 で適格請求書に記載が必要な情報項目が追加されております。


請求発行処理も不要になると期待

つまり、中小企業共通EDIを利用することで、紙面はもちろん、PDFファイルでの作成も、請求発行処理も不要になると期待できます。

ご参考:国税庁「消費税の仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式が導入されます(リーフレット)(平成30年4月)(令和2年1月改訂)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/300416.pdf
※2ページ目に「書面での交付に代えて、電磁的記録により提供することもできます。」と記載があります。

投稿者:systemkanri 投稿日時:

4.中小企業共通EDIと全銀EDI(ZEDI)の連携で究極の業務効率化へ

業務の効率化には、中小企業共通EDIと全銀EDI(ZEDI)の連携が重要になります。


「商流EDI」と「金融EDI」

中小企業共通EDIは、受発注や出荷検収のやり取りが中心であり「商流EDI」とも呼ばれております。一方で、ZEDIは、振込情報や入金情報の伝達であり「金融EDI」とも呼ばれております。
商流EDIで検収した注文番号をZEDIの振込情報に付加することで、振込まれた取引先では入金情報の注文番号を元に、消込が確実に行えるものになります。もちろん、自動消込も可能になります。


取引とお金の紐づけ

取引とお金の流れが紐づくことで、営業部門が行う販売管理・在庫管理と経理部門が行う請求・支払・入金業務の一気通貫するデータ連携が実現し、究極の業務効率化が可能になるのです。

商流EDIと金融EDI
商流EDIと金融EDI
投稿者:systemkanri 投稿日時:

5.販売管理・在庫管理と中小企業共通EDIとZEDIと会計が連携するオールクラウド®の姿

中小企業共通EDIの導入により、データ入力の手間削減や書類ファイリング等のタスクが不要になるなど、業務に費やす時間を6割近く削減できたと報告されております。
一方で、中小企業共通EDIの導入における課題も挙げられています。


中小企業共通EDIの導入における課題

それは、社内業務システムとの連携です。

参考資料:中小企業庁の委託事業として、特定非営利活動法人 IT コーディネータ協会が実施した「平成 28 年度 経営力向上・IT 基盤整備支援事業(次世代企業間データ連携調査事業)」
平成28年度経営力向上・IT基盤整備支援事業調査報告書
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/gijut/2019/190403ed101.pdf

中小企業共通EDIと社内業務システムとの情報連携が不十分なため、十分な効果が得られないということです。


中小企業の社内業務システム

社内業務システムとは、販売管理・在庫管理・生産管理システムです。

販売管理・在庫管理・生産管理システムは、汎用パッケージを利用する場合が多いですが、自社の業務に合せるとなると、カスタマイズが発生します。また、そもそも自社の業務に合うパッケージが無いなどで、スクラッチ開発(すべて開発)されるケースもあります。


中小企業は独自の業務フローで成り立っている

中小企業は独自の業務フローで成り立っているケースが多いため、自社に合わないパッケージを無理に利用し、エクセルなどで独自業務領域をカバーするなどで対応されいてるようです。

この状態が、社内業務システムと中小企業共通EDIの連携を難しくしているのです。


サイボウズ社kintoneを中心にオールクラウド®

そこで、弊社ではサイボウズ社kintoneを中心にオールクラウド®による基幹業務システムをご提案しております。

特に販売管理「販売9」と在庫管理「在庫10」は、サイボウズ社kintone上で動作するアプリでご提供しております。このアプリは、導入企業様にて自社業務に合せてフィールドの追加が可能になっております。
また、中小企業共通EDIとの連携アプリも合せてご利用頂けます。
クラウド会計についても、会計freeeへの連携プラグインで連携が可能です。ZEDIでの連携については、今後、会計freeeの支払機能がZEDIに対応してくれることを期待します。

販売管理・在庫管理と中小企業EDIとZEDIと会計が連携するオールクラウド®の姿

投稿者:systemkanri 投稿日時:

【kintone使い方ヒント】入力項目を動的に変えたい!

こんにちは。ITFitのtkkrです。

今回は入力項目を動的に変えたい!という話題です。

あるお客様の開発で、作業指示書を作りました。

作業指示書は以下のような要望がありました。

  • 作業の区分として、「スポット(一回限り)」「日常(契約期間は常に)」「期間(1カ月間限定などの期限付き)」が存在する
  • 作業の区分に依存しない共通入力項目が存在する
  • 作業の区分に依存する項目が存在する
  • 選択された作業区分に関する項目を入力可とし、選択されていない作業区分に関する項目を入力不可とする

 

以下の図が作業の区分に依り入力項目を変更したイメージです。

 

入力項目を動的に変える

 

 

実現方法として、JavaScriptによるカスタマイズで以下のような実装をしました。

  • ‘app.record.create.show’、’app.record.edit.show’、’app.record.create.change.<ラジオボタン>’、’app.record.edit.change.<ラジオボタン>’の時に、
  • 作業区分(スポット・日常・期間区分)のフィールドの値を判断し、
  • 入力可にするフィールドを入力可状態、プルダウン(select)を追加し、
  • 入力不可にするフィールドを入力不可状態、プルダウン(select)を追加しない

以上のような流れで入力可/不可項目を動的に変更しました。

 

皆様の業務に使えますでしょうか?

 

では。また。

 

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投稿者:tkkr 投稿日時: