kintone在庫管理とクラウド会計freee

kintone在庫管理とクラウド会計freeeの業務クラウドを構築する際の参考情報を掲載しております。
在庫管理としてサイボウズ社kintone、クラウド会計としてフリー社のfreeeを利用することを想定しておりますが、一般的な在庫管理と会計システムとの連携としても、お読み頂けます。

【kintone在庫管理とクラウド会計freee】

1 経験と勘による在庫管理

「在庫管理は、倉庫責任者に任せているから、システム化は必要ないかな?」

表面上は上記の通り、現場に任せれば何とかなるように思われがちですが、適正な在庫管理をしないことによるデメリットがあります。

  • 倉庫責任者に聞かないと在庫が分からない。
  • 第三者による判断がない。
  • 突発的な欠品により、商品が用意できない。
  • 過剰在庫によりスペースが確保できていない。
  • 管理工数が削減できない。
  • 正しい売上原価が計算できない為、利益が分からない。
  • トラブル対応時に、商品のトレースができない。
  • 会計システムへの適切な登録ができていない。
  • 在庫管理システムはあるが、クラウド型ではないから外出先で見れない。

上記の中でも、適正な在庫管理を行わないことによって発生することが多い過少在庫、過剰在庫のデメリットは以下です。

■過少在庫によるデメリット

  1. 販売機会の損失
  2. 欠品によるクレーム

■過剰在庫によるデメリット

  1. 在庫を維持する為の費用増(倉庫代、光熱費、人件費)
  2. 商品の陳腐化(賞味期限、消費期限)による商品価値の低下
  3. 資金繰りの悪化(回収までの期間増)によるキャッシュフローの減少
【kintone在庫管理とクラウド会計freee】

2 欠品による機会損失の防止

欠品による機会損失を防止する為には、現場以外の部門でもリアルタイムで在庫数を把握できる仕組みと、適正な発注をする必要があります。

前述の通り、クラウド在庫管理を導入せず、倉庫責任者に一存してしまうと、営業が確度の高い商談をしている時でも、都度倉庫責任者への問い合わせが必要となります。最悪の場合、連絡がつかず、在庫が把握できなかったが為に、商談が破綻してしまう可能性もあります。

クラウド在庫管理の導入による可視化が必要

改善するには、現場の人に一存せず、クラウド在庫管理の導入による数値化、可視化が必要となります。

また、肌感覚や勘、ノウハウに頼って発注を行うと、営業側の受注見込みとの差による販売機会の損失や、発注漏れにより過少在庫になってしまいます。

調達期間(リードタイム)や発注量、発注点、また営業側の受注状況等をクラウド販売管理やクラウド在庫管理で数値化して、管理を行う必要性があります。

尚、基本的な発注として、以下の2方式が挙げられます。

・定期発注
 発注時期に在庫数を把握し、必要数量を定期的に発注する。

・定量発注
 ある一定数量を下回ると発注する。

欠品を防止するため、(安全な)在庫数を把握し、発注を行うことが肝要となります。

一方で、過剰在庫とならないために、「3 適正在庫による在庫圧縮/保管費の削減」の観点が必要となります。

【kintone在庫管理とクラウド会計freee】

3 適正在庫による在庫圧縮/保管費の削減

在庫圧縮並びに保管費の削減をする為には、倉庫内の整理、責任者の明確化と合わせて、商品の受注状況の把握(売れる商品と売れない商品の把握を含む。)や適正な理論在庫、実在庫の把握が必要となります。

1 経験と勘による在庫管理」でも申し上げた通り、過剰在庫による影響は各種保管費が増えるだけでなく、商品の品質低下により適正価格で販売する事ができなくなり、商品入荷時の支払いから販売して入金されるまでの期間経過によるキャッシュフローの悪化まで起きてしまいます。

上記を改善するには、物理的な対策、体制・運用での把握と合わせて、クラウド在庫管理による在庫回転率の計算やクラウド販売管理との連携などを実装する方法があります。

尚、在庫の量を判断する指標として、在庫回転率が挙げられます。

在庫回転率(回) = 出庫金額(年間の売り上げ) ÷ 在庫金額(棚卸資産)*1

*1:(期首在庫+期末在庫)/2



在庫回転率が低いものは現金化するまでに時間が掛かっているものと判断できる為、在庫回転率が低い商品の在庫数量を削減することにより、在庫圧縮/保管費の削減を実現することができます。

【kintone在庫管理とクラウド会計freee】

4 トレーサビリティを実現し顧客満足度向上

トレーサビリティとは

トレーサビリティとは、特定のロットの商品が、いつどこでどのようにしたのかを入荷、製造から納品、廃棄まで追跡できる仕組みを指します。

トレーサビリティの管理ができていないと、リコールなど万が一の事態が発生した際に、どのお客様に影響があるのか、原因はどこにあるのかといったことが迅速に対応できなくなってしまいます。
場合によっては、影響範囲が分からず、全ての商品を回収する必要があります。

トレーサビリティの実装

リスク回避と共に顧客満足度を向上する意味でも、クラウド在庫管理によるトレーサビリティの実装は必然と考えます。

トレーサビリティを実現する為には、以下2点による双方向からトレースする機能を備えたクラウド在庫管理の導入が必要となります。


・トレースフォワード
 製品自体に問題が発生した際、どこで問題が発生をしていたのか、原因はどこにあるのかといったものを特定する為に、製造段階まで遡ること。


・トレースバック
 製品の出荷後、製造物の元となるもの(パーツや原材料など)に問題がある事が分かった際、その元となるものが使われた製品を特定、回収すること。

また、ロット番号による記録、管理をしておく事により、上記トレーサビリティが円滑になり、また賞味期限の管理や先入れ先出しを行っている場合に、出荷先の特定が詳細かつ迅速に可能となります。

尚、適正なトレーサビリティを実現する大前提として、正確な検品作業が必須です。

クラウド販売管理と連動した上で、受注伝票から出荷指図書を生成し、出荷指図書に基づき、ピッキング(出荷処理)を行います。
また、発注伝票から入荷指図書を生成し、入荷指図書に基づき、ピッキング(入荷処理)を行います。

また、検品を行う際にはバーコードリーダーの導入、スキャン項目の精査、作業区分や動線の見直しなどを行う事により、作業効率化並びにミスの防止を行えます。

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5 クラウド在庫管理とクラウド会計freee

クラウド在庫管理で管理する在庫データは、クラウド販売管理との連動だけでなく、クラウド会計freeeとも関わります。
在庫の会計処理は思っている以上に複雑なので、定義や各種数値の集計・評価方法などを理解した上で、適正なクラウド在庫管理を導入しましょう。

会計上の在庫とは

会計上の在庫とは、主に以下の3つを指します。

  1. 製品または商品
  2. 仕掛品
  3. 原材料

会計上の処理を行うには、前提条件として、これらの定義を理解した上で、各種マスタや在庫ステータスの管理をクラウド在庫管理で行う必要があります。

売上原価の原則的な算出方法

売上原価の原則的な算出方法は、以下の通りです。


売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 - 期末商品棚卸高


期首並びに期末に棚卸結果を会計へ報告をするのが一般的ですが、プロジェクト単位での売上原価を正確に算出するには、入荷並びに出荷のタイミングで、プロジェクトと紐づけたデータを、クラウド在庫管理とクラウド会計freeeで連動する必要があります。

但し、上記運用を行うには、出荷をする度に仕分け処理を行う必要がある為、当機能を備えたクラウド在庫管理と、クラウド会計freeeへの連携を意識したシステム構築が必須となります。